谷 川 岳

 群馬県水上町と新潟県湯沢町の境、関東平野と越後平野を分ける谷川連峰の主峰、谷川岳1977m。この山は多くの犠牲者を出していることから「魔の山」として知られている。統計が開始された1931年から2005年まで781名の遭難死、世界ワースト1。ちなみにエベレストは181名である。我々は初めて登る山なので、安全で楽なコースを選択した。ところが・・・。
 宿泊先の高崎駅7:10信越線下り列車に乗る。登山口がある土合駅8:30到着。まず度肝を抜かれたのは、薄暗い地下駅。462段の階段を昇り地上へ出る。ロープウェイ乗り場まで15分。2005年に更新されたロープウェイは、乗客が並んでいなければ待ち時間ゼロの最新式。7分で天神平、これより登山開始。50分後、熊穴沢避難小屋から天神尾根へ。肩の小屋下300mは残雪が深い。3時間を要し、二つある頂上の一つトマの耳に到着。
 当日の予報は、降水確率午前20%、午後50%。登山開始時は晴れ間もあったが、頂上で一休みしていると、足早に黒雲が近づき、ゴロゴロと遠くから雷音が聞こえる。昼食もとらずに下山開始。残雪を下り終えるころ雹が降り始めてきた。雨具を整えるや、猛烈な勢いで雹が体を打ち、ゴロゴロピカピカも間近に迫る。生きた心地がしない阿鼻叫喚の1時間。雷雹が去っても恐怖は去らず。熊穴沢小屋にたどり着き、ようやく平常心に戻ることができた。遅い昼食を済ませ、天神平ロープウェイ駅まで1時間弱。ロープウェイも雷のため運転を中止していて再開まで1時間待ちだった。無事に下山はしたが、謙虚に反省をしなければならない。ま、しかし雄大な景色を眺められたこと、多くの花に出会えたことなどを考えると、いい登山であったことに違いない。     07.06.06
 
信越線下り土合駅地下ホームから地上に至る階段 左の写真、左下の看板
谷川岳遭難者の霊園地(土合駅より徒歩10分) ロープウェイ天神平駅は目の前(ロープウェイより写す)
山頂へ向う、スキーリフトに乗れば天神峠 谷川岳(天神平から20分の場所で写す)
熊穴沢避難小屋通過、これより天神尾根を登る 万太郎山(左のピーク、天神尾根からの眺め)
天狗の留り場から谷川岳(頂上トマの耳は飛び出た岩) 天神尾根を振り返る(黄緑の鞍部は天神平)
突然現れた残雪(柔らかくアイゼンはいらない) 残雪を300m登れば肩の小屋
「肩の小屋」に立ち寄り谷川岳山頂へ 群馬県営「肩の小屋」
谷川岳頂上トマの耳まであと少し(右の白は残雪2m) 3時間を要しトマの耳、次はオキの耳と思ったら・・・
もう一方の頂上オキの耳、いきなり黒雲が近づき下山 猛烈な雷雹(ひょう)の恐怖から抜け出す(熊穴沢小屋近く)
ショウジョウバカマ(時期遅れ) ミツバオウレン シャクナゲ(時期遅れ)
ナエバキスミレ タニガワ???スミレ オオカメノキ
シラネアオイ イワウチワ
イワカガミ タムシバ
エンレイソウ イワナシ

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