岩手の山(2) 岩 手 山

 岩手山は奥羽山脈北部の山だが、主稜から離れており独立峰に近い。静岡側から見た富士山に似ていることから南部富士とも言われている。焼走り溶岩流は国の天然記念物。火山砂礫帯に広がるコマクサ群落は屈指の規模。火山活動のため入山規制していたが、2004年に解除された。明治・大正期の作家、石川啄木や宮沢賢治の詩歌に詠まれている。小生は以前からこの山に登る願望があった。10代後半から20代にかけて啄木を愛読していたし、「雨にも負けず・・・」の賢治も好きな作家だから。勿論、コマクサにも興味があった。
 雨は降らなかったが中腹より上はガスがたちこめていた。気温も湿度も高く汗しきり。それでもコマクサやシラネアオイなどの花に接すると気持が癒される。出発点と山頂の標高差は約1500m。これのピストンで休憩を除く実質歩行は、9時間近い。これくらいは何度か経験しているが、とにかく暑さがこたえた。しかし、“好い山”の印象を得たし、願望の山に登れたことが嬉しい。   11.07.03

 国際交流村駐車場6:40〜8:40溶岩噴出口跡〜9:50ツルハシ分れ〜11:20平笠不動小屋(昼食)11:40〜
 12:15岩手山薬師岳12:25〜12:55平笠小屋不動小屋13:10〜14:10ツルハシ分れ〜16:30上坊登山口  

岩手山国際交流村駐車場を出発、5分で登山口 焼走り溶岩流、1731年噴出・特別天然記念物
コマクサ群生地までこんな道が続く 焼走り溶岩流の噴出地点
見晴らし台だがガスが濃く下方は見えない コマクサ群落、ガスが濃い
     〔岩手山を詠んだ短歌〕


 ・岩手山 秋はふもとの三方の 野に満つる虫を何と聴くらむ
 ・ふるさとの山に向かいて言ふことなし
                   ふるさとの山はありがたきかな

  石川 啄木(1886〜1912) 岩手県渋民村(現、盛岡市)出生


 
 ・風さむき 岩手の山にわれらいま 校歌をうたふ先生もうたふ
 ・岩手山 空の散乱反射のなかに古ぼけて黒くえぐるもの
         ひしめく微塵の深みの底にきたなくしろく澱むもの

  宮沢 賢治(1896〜1933) 岩手県里川口村(現、花巻市)出生 
ツルハシ分れと平笠不動小屋との中間
平笠不動小屋(昼食) 平笠不動小屋から山頂へ向かう
灌木を過ぎるとガレ場 火口縁、ガスが濃くなる
岩手山薬師岳山頂 山頂、ここまで30〜40人の登山者と出会う
山頂のお鉢(お釜)、一時的にガスが切れる 山頂より食事した小屋と大岩を眺める
火口縁を下り始める登山者、またガスが濃くなる ガスの通過を待って山頂を撮る、小屋付近から
高度を下げると樹木も変わる ツルハシ分れ、来た道は行かず上坊へと左折
樹木はコナラ、このコースは踏み跡が少なくマイナーか 上坊神社、あと10分下り登山終了
帰りに岩手国際交流村駐車場より展望した岩手山、南部富士言われる由縁に納得
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