Photo れんそう(連想)

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100 あれはエベレスト あれがマナスル
 ヒマラヤの山並を見ながら意気揚々と高地を歩いている。そんな夢を抱いて幾星霜、やっと実現できたのだ・・・・・
一瞬の白昼夢から目覚めた時、吾は福智山に連なる鷹取山頂にいてヒマラヤではなかった。まぁいいか、夢を夢で叶えたことも夢の成就としよう。
実は、この画像も文面も2018年9月登山の山行日記を2019年の年賀状に転用したもの。  白昼夢も「れんそう」なり

2018.09月撮影、鷹取山  2018.12.25記

99 むきかけの柿 とりあえず仏壇へ
 小生は柿が好き。それも種のあるごま柿がいい。亡き父母も柿が好物だった。「むきかけの柿をとりあえず仏壇に置いたのは急用を思い出したから、両親の供養にもなるし」と、読者は解釈したであろう。しかし、その解釈は違う。柿をむく最中、予告なしに友人の来訪、とっておきの柿を友人に食べられるのかも知れないと思ったからだ。仏壇に置けば、供物と見られ食べられる心配はない。「Photoれんそう」は、写真を見て連想し句を詠むのだが、この作品は句が先だった。
2018.10月撮影、平尾台   2018.11.21記

98 如来様も悩める 眼の上のコブ
 修験道が栄華をきわめた英彦山には数多くの遺構がある。その一つが直径3mの円内に梵字で刻まれた梵字岩。写真の左右にも同様な円があり、三つの円に大日如来、釈迦如来、阿弥陀如来の文字。如来とは、小生のにわか勉強を一言に要約すると「仏の悟りを開いた仏様」と解釈。写真の円上部にある白っぽい玉はハチの巣。そこで小生の連想。3mの円が如来様の眼、ハチの巣が眼の上のコブに見えてきた。悟りを開いた如来様は眼の上のコブごときを気にする筈はないと思われるのだが、あまたの人々から尊崇される身であれば眼の上の異物は悩みだろう。
2018.02月撮影、英彦山  2018.02.26記

97 指山は 5峰を束ねる たなごころ
 九重連山の代表的な登山口である長者原から見ると、正面最先端に構えているのが指山(ゆびやま)。背後には三俣山が聳え、左から北峰、本峰、西峰の3峰が見える。その奥には南峰とⅣ峰が隠れている。併せて三俣山は5峰の山。この現実を考えると、これらは手に思われてきた。即ち三俣山は指、その前方にあって5峰を束ねる指山は指ならぬ、たなごころ(掌・手のひら)なのだ。
 古くからの山友達は指山を「さしやま」と呼んでいる。ところが、最近では「ゆびやま」派の方が多い。どちらが正解なのか、国土地理院の地図をひも解くと「ゆびやま」のルビ。小生は「さしやま」派だったが「ゆびやま」に改めよう。

2017.11月撮影、九重指山  2017.12.29記

96 チンチロリン 待つに待たれずマツムシソウ
   マツムシソウ(松虫草)は小生の好きな野草。おおむね8月下旬から9月上旬にかけて咲き始める。マツムシ(松虫)が鳴くころに咲くからマツムシソウの名前。童謡 ♪♪あれまつむしがないているチンチロチンチロチンチロリン・・・  チンチロリンを耳にすれば、確実にマツムシソウは咲いているだろう。だが、なかなか鳴いてくれない。待つに待たれず9月3日、小生が一番の観察場所と思っている湧蓋山に出かけた。案の定、10日間は早く花数が極めて少ない上に小ぶり。やはり、ザックバランの小生よりもマツムシの方が真面目だな。 2017.09月撮影、湧蓋山 2017.09.08記

95 イカリソウ 昔優しく 今イカリ
 イカリソウ(錨草)は4枚の花弁が錨のように突き出しているので、その名が付けられたとのこと。錨は船舶を一定場所に留め置く機能。我が人生に例えるならば、若いころ揺れ動く気持ちを留めてくれた人を連想する。その人に優しさがあった。あれから何十年、今では錨がツノと化しイカリ(怒り)となってしまった。原因は誰だ・・・?
2017.04月撮影、福井県青葉山 2017.07.07記  

94 メーテルさん チャリで銀河へ行けますか
 松本零士のSF漫画「銀河鉄道999」から連想した句。メーテルは、主人公の星野鉄郎を銀河超特急999での旅を導き自らも旅する謎の美女。
 チャリを一漕ぎ、雪深い1200mの山頂にやってきた、その人の名はカノウ。不可能を可能にする怪物だ。大望を叶えようと銀河行の可否をメーテルに訊く。青空を見つめたメーテルは「銀河行は無理だわ、お月さんだったらなんとか」 はて、怪物は月へとチャリを漕ぎ出したのだろうか。
 松本零士は小中高の少年時代を旧小倉市で過ごす。小生が住む北九州市漫画ミュージアム名誉館長。
 2017.02月撮影、英彦山 2017.02.18記

93 雨の3000m峰より 晴れの低山
 登山を最大の趣味としているのだが、3000m超の登頂は僅か8座に過ぎない。だから偉そうなことは言えない。この句は小生の経験にもとずく結論である。異論は承知の上で両極端を記そう。先ず最初は、3193mの奥穂高岳を登った時の苦い思い出。9月下旬、上高地を出発し横尾、涸沢ヒュッテ、ザイティングラードを経由した。穂高岳山荘を過ぎたあたりから霧が立ち込め始め、山頂に到着すると5m先が見えない状態。晴れていれば、槍ヶ岳や眼下に上高地が望める筈だが、残念至極。しかも冷風で体が震えた。一方の低山は、このサイト史上最も低い福岡県苅田町の松山128mを取り上げる。できれば自然景観の方が良いのだが、128mでは致し方ない。山頂から眺めた工場群、その向こうに空港連絡橋と海に浮かぶ北九州空港(写真)気持ちすっきり。誰しも登山目的の一つは景観だと思う。山頂広場で餅を多く入れた善哉を作り昼食替わりとした。美味さ格別。3000m峰での煮炊きは叶わないだろう
2017.01月撮影、福岡県苅田町松山 2017.02.06 記

92 無明橋 アサギマダラ真似をして
 写真は国東半島・豊後高田市、中山仙境の無明橋。国東半島は神仏習合の地。中山仙境には、その祠や石仏が岩峰ごとに存在する。麓には六郷満山末山本寺の霊仙寺。無明橋の無明(むみょう)とは、広辞苑によると邪見、心理に暗い、煩悩、不覚などと記されている仏教用語。アサギマダラは蝶、5月以降、涼しさを求めて台湾などからやって来て10月頃に帰っていく。九州や中四国の暖地では幼虫が越冬する。アサギマダラのアサギは「浅葱」に由来し青緑色。はて、アサギマダラの真似をして煩悩はいかに?
2016.1月撮影、中山仙境 2016.12.10記

91 ひらひらり Made in Canadaと化した靴
 落葉しきりの林道を登山口に向かって歩いていると、ひらりひらり舞い落ちたモミジ(カエデ)の葉が前を行く登山者の靴に付着した。カナダ国旗はカエデの葉が中央に大きく描かれている。だったら、カナダ製の靴もロゴがカエデだと連想した。ただし、本当のことは知らない。写真の靴は日本製だと思われるが、モミジの付着によってカナダ製に急変したのだ。この「Photoれんそう」はうがった連想や矛盾はしばしば。写真のモミジ(カエデ)はカナダ国旗のメイプルリーフ(サトウカエデの葉)とは形が異なるし上下が逆になっている。
2016.11.28 記  2016.11月撮影、添田町障子ヶ岳

90 温暖化 「どっちがホコリ」とホコリダケ
 「人間様は産業革命以来化石燃料を大量に燃やし続け二酸化炭素、即ちホコリを大気に放出している。このため地球が温まって色々な弊害が起き、、我々植物界も迷惑な話だ」と、ホコリダケが言っているようだった。成長して褐色になったホコリダケを触ると頭部からホコリのような胞子が飛び出す。ホコリダケにとっては、これが誇りなのかも知れない。地面に生えるものだが、小生は木の幹のを初めて見た。試しに触ると確かに胞子が飛び出したのでホコリダケに違いない。
2016.10月撮影、広島県掛頭山  2016.11.10記

89 「お好み焼きに見えるね」「広島じゃけ」
 広島県の山を登山中、お好み焼を発見した。いや、お好み焼きに似たキノコだった。生地がこぼれ落ちているのもリアルだし青海苔ものっている。お好み焼きは広島風と大阪風がよく知られている。広島風はソバ等の具材を中に包み、大阪風は具材を生地に混ぜている。発見したお好み焼きに似たキノコはどちら風かはともかく、お好み焼きは広島名物。「・・・じゃけ」は広島弁のつもり。
2016.11.10 記   2016.10月撮影、広島県臥竜山

88 名人の術 捨石活かし 定石とす
 京都市北部の山村を歩いていた時、石臼を部分使用した面白い石垣を目にした。石垣を造る際、足らなくなった石を補うためか、あるいは捨石の有効活用なのかは分からないが、石積み名人の術(わざ)だと思った。。さらに歩いていると搗き臼、挽き臼、つくばいが十数個まとめて捨てられていた。電化、高齢化、過疎化により不要の長物となったに違いない。この村では今後、石垣築造には石積み名人が取り入れた捨石を活かすことが定石になるだろうと、小生は連想した。
【捨石】 囲碁の用語で戦いを有利にするため、意図的に相手に取らせる石。
【定石】 囲碁の用語で、ある局面の最善とされる一手。将棋は「定跡」
 捨石が単にムダ石と考えられた局面で、名人が巧みな打ち回しによって有効に導いたとしよう。すると、その捨石は定石になるかも。ただし、小生は囲碁をやらないので空論にすぎない。
 2016.09月撮影、京都市 2016.09.29 記

87 「吾の岩は何処にあるんじゃ」と母里太兵衛
 写真は福岡県行橋市と同みやこ町に跨る馬ヶ岳の展望台。馬ヶ岳は中世の山城、秀吉から九州征伐の命を受けた黒田官兵衛は、この山城に入城している。2014年放映の大河ドラマ「軍師官兵衛」を機に山道を整備、名称を記した木柱も設置された。地元の市や町は官兵衛ブームを盛り上げたのだ。
 黒田24騎の中でも特に重用された母里太兵衛(1556~1615)は、槍術に優れた勇将そして酒豪。酒好きの福島正則から名槍「日本号」を呑み取った逸話で知られ、福岡民謡「黒田節」に謡われている。母里太兵衛の岩は何処にあるのかと周囲を見渡したのは小生自身であった。この時、太兵衛の所作を連想したのだが、太兵衛はそんなことを気にする武将ではないように思えてきた。
2016.09.02 記  2016.08月撮影、馬ヶ岳

86 エンブレム アラファト議長によく似合う
 舛添要一都知事の辞任を受けて小池百合子議員の都知事選立候補表明が報道されていた。テレビ画面には東京五輪パラリンピックのエンブレムが小さく映っている。その瞬間、パレスチナの指導者だったアラファト議長と市松模様を重ね合わせたのだ。このエンブレムは2ヶ月前新たに発表されたのだが、その際は盗作疑惑が持ち上がった前作のイメージが残り連想に及ばなかった。新エンブレムとアラファト議長のそれを並べてみれば明らかに模様が異なる。だが、別々にぼんやり眺めたので小生には大差ないように見えたのだ。市松模様についてはチェッカーフラッグ程度の知識しかなく、樹木の松に関係すると思っていた。この記事を書くに当たり調べると『基盤目格子の目を色違いに並べた模様。江戸時代の歌舞伎役者・佐野市松がこの模様の袴を用いたことから広まった』とのこと。  2016.06.30 記  

85      デパ地下の 大安売りに 気もそぞろ
 「大安売りに気もそぞろ」となったのは10数秒間。大安売りならぬ大安の日だった。自分自身の人間性をかいま見た早とちり。  
2016.04月撮影、福岡市東区  2016.04.13  記

84 色どりの 移ろい詠むと 四重季語
 町内会長から「年間活動のプレゼンテーションを行いたい。ついては、これの制作をして欲しい」と依頼された。年間活動だから表紙に四季の移ろいを表した町内の桜並木が適切だと思った。4枚の画像だけでは物足りず、一句添えることにした。だが、小生は俳句が苦手。一念発起したあげく疑問の残る句となった。
 小生はリズム感が良い五七調の韻文が好きだ。しかしながら、前述したように作句は苦手、その作法も乏しい。したがって「Photoれんそう」の句は、俳句ではないと断っている。
 句に疑問が残ったのでツンドクの俳句書を紐解くと、季語は季節の先取りか、もしくは直面する季節を詠むもの。複数の季語は「季重ね」と言い原則禁止。ただ、俳人の句には、たまに季重ねを見ることがある。その場合は一方を強調し、他方を隠し味風にしていると、記されていた。
 小生、句会に参加した事もないし、今後もそのつもりはないが、疑問句を持ち寄った句会を連想した。主宰は「一つの句に春夏秋冬を詠んだ四重季語はもってのほか。駄作にも及ばず、俳句を愚弄している。芭蕉も子規も罵声を浴びせているだろう」と、みそくそ。当然のことながら、表紙に添えた句を削除した。その句は公表したくない。
2015.、2016撮影、北九州市小倉南区   2016.04.01 記

83 ビル壊れ 自然の摂理を 尊ぼう
 福岡市、新宮町、久山町にまたがる立花山のクス原始林は国の特別天然記念物。写真のクスはピサの斜塔どころか大きく傾いている。にもかかわらず、登山者は少しも不安を感じない。根っこと幹や枝のバランスが保たれているからだ。それは自然の摂理、換言すれば自然の法則。
 ところが、人間は自ら定めた法則にしばしば違反する。先ずクスを見て連想したのは、今年(2016)2月に発生した台湾南部地震での16階建のビル倒壊。115名が犠牲になった。倒壊原因はコンクリート柱の補強用鉄筋が設計の半分だったこと。
 次にクスから連想したのは、横浜市のマンション傾斜。傾斜が判明した1年後の昨年10月、施工者から「建物を支える基礎杭6本が支持層に達してなく、杭打ちデータも改ざんしていた」と調査結果が報告された。
 台湾のビルも横浜のマンションも法則違反である。再筆するが、クスは自然の法則、すなち自然の摂理によって何百年も活き、なお盛ん。尊いと思う。ちなみに「摂理」は『神の御業』とも記されている。
 2016.02月撮影、立花山   2016.2.25  記

82 万両いらぬ千両狙いのジャンボくじ 
 マンリョウ(写真右)、センリョウ(同左)を漢字で書けば万両、千両。いずれも庶民の手に届かない大金であった。この大金から連想したのが宝くじの当選金。万両は億円、千両は千万円と想定した。
 在職中、筆者は他のくじは買わず年末ジャンボくじに限り1万円を投資、33枚を購入し100円のおつり。当時、前後賞あわせて最高当選金は1億円。だが、無限大に確率が低い1億円はあきらめ、1千万円の夢を見ようとバラ買いを続けた。リタイアした年に購入を止めたのだが、受取金の平均は300円×3枚とおつり100円の千円だった。昨年末のジャンボくじは、なんと前後賞あわせて最高当選金は10億円。これを1千万円にして100倍の確率にすれば再び夢を買うことになるだろう。
 センリョウの実は小鳥が盛んについばむ。一方、マンリョウは餌にするどころか無視して飛び去る。筆者は小鳥?
 2016.01月撮影、筆者小庭  2016.1.9  記

81 汗垂らし 戦場さまよう 鉄兜   
 俳句界の巨匠、金子兜太と鉄兜の兜が脳裡に重複。鉄兜すなわち兜太師匠が、ミクロネシア・トラック島にて厳しい暑さの中、戦場をさまよう姿を連想した。実際にさまよったかどうかは分からない、あくまでも筆者の想像である。

 太平洋戦争において兜太師匠は海軍主計中尉としてトラック島に出征、200名の部下を率いる。食糧事情が悪化し続け餓死者が相次いだが、奇跡的に命拾い。「餓死者を出したことは士官としての仕事を全うできなかった」と、後に語っている。

 金子兜太、1919年生まれ96歳。俳句番組にゲスト出演した兜太師匠は、出征した親族が帰らぬ人となった事を詠んだ句を特選句に挙げていた。それは、自身が背負う悲惨な戦争体験を顧みて感慨深さがあった故と述べている。  
2015.11月撮影、北九州市平尾台 2015.11.12記

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